ゴミ屋敷の片付けを進める中で、まだ使える家具や家電、衣類、書籍、あるいは貴金属や骨董品といった価値のある「不用品」が出てくることがあります。これらの不用品を専門業者に買い取ってもらうことで、片付け費用の一部に充当できる場合があります。しかし、業者がこれらの物品を買い取るには、「古物商許可」が必要です。古物商許可とは、中古品(古物)の売買や交換などを事業として行う際に、都道府県の公安委員会(警察署経由)から受ける必要がある許可です。これは、盗品の流通を防ぎ、取引の安全性を確保することを目的としています。古物商許可を持つ業者は、買い取った品の情報を帳簿に記録したり、取引相手の身元を確認したりする義務があります。これらの義務を果たすことで、不正な取引を防ぎ、安心して取引できる環境が保たれます。ゴミ屋敷の片付けを依頼する際に、不用品の買い取りも希望する場合は、依頼を検討している業者がこの古物商許可を持っているかどうかを確認することが重要です。古物商許可を持たない業者が買い取りを行うことは法律違反となります。また、許可を持たない業者は、買い取り価格が不当に安かったり、後から不当な手数料を請求してきたりするリスクも考えられます。信頼できる業者は、一般廃棄物収集運搬業許可と同様に、古物商許可についてもウェブサイトに明記していたり、問い合わせた際に尋ねられたら明確に提示したりします。古物商許可証には、許可番号や許可を得ている都道府県などが記載されています。これらの情報を確認することで、その業者が適正に古物の買い取りを行う事業者であるかを判断することができます。ただし、業者によっては買い取りサービスを行っていない場合もあります。その場合は、ゴミ屋敷片付けとは別に、自分でリサイクルショップなどに持ち込むか、買い取り専門の業者に依頼する必要があります。事前に業者のサービス内容に不用品買い取りが含まれているか、そして含まれている場合は古物商許可を持っているかを確認しておくことで、片付け作業と不用品処分をスムーズに進めることができます。ゴミ屋敷から出た不用品を適切に扱い、少しでも費用を抑えるためにも、古物商許可の確認は重要なステップと言えます。
古物商許可とは?ゴミ屋敷片付けでの役割