空き家がゴミ屋敷になってしまうと、単に見た目が悪くなるだけでなく、さまざまなトラブルを引き起こします。特に、周辺住民との関係悪化や、法的問題に発展するケースも少なくありません。ゴミ屋敷化が進むとどのような問題が発生するのか、また、それをどのように解決できるのかについて考えてみましょう。まず、ゴミ屋敷化した空き家は、悪臭や害虫の発生源となり、近隣住民に大きな迷惑をかけることになります。特に夏場には、腐敗した食品や汚れたゴミが原因で異臭が漂い、周囲の家にまで影響を及ぼします。また、ゴキブリやネズミ、ハエなどの害虫が大量に発生し、近隣の住宅にも侵入する恐れがあります。こうした状況が続くと、住民から苦情が出るだけでなく、自治体に通報されるケースも増えてきます。次に、不法侵入や放火のリスクも高まります。空き家は人の出入りがないため、不審者が住みついてしまうこともあります。また、放置されたゴミが多いと、放火の標的にされやすく、一度火がつくと燃え広がる可能性が非常に高くなります。実際に、空き家の火災が近隣の住宅に被害を及ぼし、大きなトラブルに発展することもあります。さらに、ゴミ屋敷化した空き家は、自治体から「特定空き家」に指定される可能性があります。「空き家対策特別措置法」によって、特定空き家に指定されると、自治体から改善命令が出され、それでも対応しなければ罰則や行政代執行(強制撤去)が行われます。行政代執行が実施された場合、片付け費用はすべて所有者が負担することになり、経済的な負担も非常に大きくなります。こうした問題を未然に防ぐためには、早めの対策が必要です。まず、空き家の状態を定期的にチェックし、ゴミが溜まっていないか確認することが重要です。遠方に住んでいる場合は、空き家管理サービスを利用したり、近隣の住民に定期的に様子を見てもらうことも一つの方法です。また、不法投棄を防ぐためには、敷地の整備を行うことも効果的です。庭や玄関周りをきれいに保ち、フェンスや防犯カメラの設置を検討することで、不審者の侵入やゴミの放置を防ぐことができます。さらに、敷地内に「不法投棄禁止」の看板を設置することも、ゴミを捨てられにくくする有効な手段です。
空き家のゴミ屋敷化が進むと発生するトラブルと解決策